Dahlia
ああ、ダリヤ
もしも私が花へと生まれ変わるならば
私はあなたへ生まれ変わりたい
ああ、ダリヤ
あなたならば、その明るさで、その華やかさで
彼を悪夢から救えるだろうか?
満天の星空を見上げながら、疼く熱に唇を噛みしめた。
「……っン………ぅ…、ぁ…」
胸元を舐め這う舌が肌を濡らし。
睦言を紡ぐ唇が、ちぅ…と音をたて、赤い花を咲き乱らせていく。
「ここにも、つけようか」
言いながら、這い上ってくる舌が、喉元あたりでぴたりと止まる。
「だ、めっ……、そこは、見え……っ、ッん、…ぁ…」
逃れようにも、腕の中にすっぽりと抱きすくめられていては、逃れられる筈もなく。
ならばと言葉で抵抗すれば、すらりと細い指が口内へと押し込まれ。
最後の抵抗と、顔を下げようとしたら、口内に入りきらなかった指で顎を掴まれ上を向かされる。
「は僕のなんだ、って…印、つけとかないとね」
「…やっ…、ぁ……レル、ヤ…」
仰け反り晒される肌に、唇がちぅ…と吸いつき。
真っ赤な花が、主張激しく色づいていく。
「ふふ、これで身も心も、僕のものだね」
服を着て、ギリギリ隠れるか隠れないかの間際に咲いた一輪の花。
歪んだ笑みのアレルヤが、綺麗だよ…と優しく囁く。
ああ、ダリヤ
私は彼を救えるだろうか?
部屋を訪れてきた―――扉を開けた、あの一瞬に。
虚ろな表情で柔らかな言葉を紡ぐ、アレルヤに。
私は四年の歪みを知った。
ああ、ダリヤ
彼の悪夢はいつ、醒めるのか…