「…で、何で俺が部屋に帰ってそうそうお前に縛りあげられなきゃいけないのか、そろそろ訳を教えてほしいんだけど…」

自分の上に馬乗りになっているティエリアを伺い見るようにして声をかければ。

「なに、すぐにわかる」

そんなよくわからない答えが返る。

何がすぐにわかるのか、もう一言聞きたいような、聞きたくないような…。
でも、聞いてしまったらもう後戻りができない気がして、聞くに聞けない。

もどかしいが、とにかくとてつもなく悪い、イヤな予感がするのだ。
普段他人の部屋に足を踏み入れることのないティエリアが俺の部屋に居たという時点で、自分的には異常事態だ。
それだけでもおかしいと思うのに、視界に映るティエリアと、現状に至るまでの経緯がさらなる不安を煽り立てている。






あのあと、ティエリアのあまりの格好に硬直していた自分に、ティエイアは扉が閉まると同時に突撃をかましてきた。
ほんと、突撃。
突撃っていうか、鳩尾に頭突き…。
そして、その衝撃でバランスを崩し尻もちをついた自分を、そのまま床に押さえつけると。
ティエリアはどこかから調達してきたらしい荒縄で、ぎゅっぎゅと俺の体を縛り上げ始めた。

“ちょっ、…ティ、ティエリア?!!!イタッ…いた、痛いイタ、いた…痛い痛いそれめっちゃ痛いーーーーー!!!!”

無理やりに後ろ手に縛り上げられるまで、ものの1分もかからなかったんじゃないかと思う。

暴れる俺、お構いなし。
思いっきりぐぃっと捩じり上げられた腕が、今もちょっと痛い。

さすがに、大事な腕を痛めさせてはいけないとおもったのか、叫びまくったらちょっとだけ縄の絞め上げを緩めてくれたけど…。



でも、なんで俺縛られなきゃなんないんだ…。

何もしてないのに…。


部屋帰って鳩尾に頭突き喰らって、倒れこんだら紐でぎゅぎゅぎゅと縛り上げられて。
挙句の果てにそのまま床に転がされて、その上に馬乗りされて…。

そのうえ、馬乗りになってきたティエリアは、これでもかっ!と言わんばかりにエロい格好で俺を煽るし…。
いや、本人にその気は全くないのだろうけれど…。

まず、暴れる俺を縛りあげる過程でさらに解けたらしい包帯のせいで、肌の露出部分が増えていて目のやり場に困った。
そして、途中で気がついたのだが、どうやらあまりぐるぐる巻きにしていない包帯から、ティエリアの乳首の部分だけが、ぷくりと僅かに盛り上がっていてその存在を誇張していた。
それだけでも十分にヤバいのに…まだ、あるのだ。
というか、これが一番エロいと思うのだが…。

どうやら、本気で今のティエリアは包帯のみで体を覆っているようなのだ。
暴れて抵抗している時に股間部分に当たってしまった手が、ティエリアの生柔らかいモノに触れてしまって気づいたのだが。

…さすがに、これはヤバいだろう。
気付かなければよかったのだが、運悪く気づいてしまったのだ。
そうなると意識せずにはいられない。



すぐわかるとティエリアは言ったけれど、そのすぐよりも先に、俺の理性がプチ切れそうだ。

「…ティエリア、お願いだから上から退いて……っ…」

床に転がされてからの何度目かのお願いをする。

もう限界、もう限界、もう限界、無理むりムリ!!!!!

そう思って精一杯の哀願をするのに、俺の必死さはまったくもってティエリアに届かない。

「それはできない。、君を逃がさないためにはこれが一番確実だろう?」

さも当然のようにそんなことをさらりと言う、ティエリアが憎い。
確かに、こうされていては逃げられない。

…が、逃げる以上に非常に由々しき事態がティエリアが腰をおろしている真下で、今まさに起きようとしているのだ。



ヤバイ…、ヤバイって!!
意識しないようにすればするほど、逆に意識してしまい、僅かな動作にすら敏感に反応してしまう。
そんな、赤らんだり青ざめたり表情の変化の著しい俺を訝しんだティエリアが、

「ん、どうした?」

そう言って、床に手をつき俺の顔を覗き込むように、下腹の上をじわりと動く。




どうした?じゃない!

「うっ、動くな…っ…!」


言ってみたが、もうその時点で時すでに遅し。

俺の言葉に最初頭にハテナを浮かべていたティエリアが、どうやらソレに気づいたらしく。
バッ…と俺の方に向けていた顔をそっちへ向けて、硬直してしまった。


「…だから、言ったんだ…」


熱を持ち硬くなり始めたソレが、硬直したティエリアの下で着実に硬度を増していっている。




Happy Halloween




0勝2敗1引き分け→0勝3敗。





「…こうなった責任、もちろんとってくれるんだよね?ティエリア…?」

何かをふっきらしたがニッコリと満面の笑みを浮かべて囁きながら、ティエリアの腰に手を添える。