自分のような人間が、幸せになれるなんて思ってもいなかったから。
掌に収まってしまう、ほんの小さな幸せでも。

私はそれだけで、とてもとても幸せだった。



だから、それが崩れてしまうことが。

私はとても、怖かった。


「―――っ、や……」


掴まれた腕が痛い。
激しく打たれた頬が熱い。


痛ましい音をたてて、幸せが崩れ落ちていく。


「―――ロック、…オン…」


あなたは
彼であって、彼でないひと。




happiness





*                                                         *

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