着飾らされて、彼らの前に引きずり出され。
彼の気が済むまで、彼の愛玩人形と為る。


下ろした紫暗色の髪の一房を掌に取り、その一房に軽く口づけて。
綺麗だよ、という。

けれど。
その彼の言葉に、親しみ湧く感情は無い。

ただ、そう囁いてみてるだけ。

睦言のように甘く囁いてみて淡い希望を持たせ、希望など何処にもないのだと知らしめるように。
甘い言葉を囁きながら、酷く乱暴に躰に触れる。






A defective replica








燭台に燈る蝋燭の焔が、ゆらりと揺れて。
橙色に染まった壁に、淫らな影を映し描く。


「そう、もっと足を開いて。」

口の端を釣り上げて、ソファーに深く腰掛けたリボンズが嗤う。


「まだだよ、まだ開くだろう?それじゃあ何もしてあげられないよ、?」

「…っ……も……ぅ、…無、理…っ…」

自分の腕で外側から抱え込んで開いた下半身は。
既に隠すものなど何一つ無く。
リボンズ達の前に、あられもない秘部を十分に晒している。

けれど、“それではダメだ、まだ開くだろう?”とリボンズが言う。




「無理じゃないだろう?昨夜、今以上に足を開いてリヴァイヴと戯れていたのはどこの誰だったかな?―――開くんだ、。」

左手で頬杖をついたリボンズが、先ほどまで浮かべていた笑みを消して。
冷たい声で命令口調に言い放つ。



「………っ…」

それでも、恥辱に震えて固まっていると。
リボンズがスッとソファから立ち上がり。
静かな足取りでこちらへとやってくる。


「お仕置きをされたいのかい?別に僕はそれでも構わないけれど…」

そう言いながら、口元まで近づけた人差し指をペロリと舐めるリボンズを見て。


「…こっ、これで……っ…、これで精一杯………っ…で、すっ…」

脳裏を掠めた以前の光景に、目をギュッと瞑り、広げた足を抱える腕に力を込めて。
限界まで開く。



リボンズが指の腹を舐める動作をする時。
それはすなわち、彼自らが満足するまで嗜虐の限りを尽くす時だ。

リボンズの気を害した―――…!

そう気づいて、リボンズの機嫌をこれ以上損ねない為に。
羞恥をかなぐり捨てて、足を限界まで広げた。


けれど、遅かった。






「良く出来ました…と、言いたい所なんだけど…少し、遅かったね」

耳元でそう囁く声が聴こえ、ハッ…と目を開けたと同時に。
リボンズの唾液で湿らせた指先が、外気に晒されていた性器の割れ目の頂点へとそっと触れた。

…かと思うと、グニッ…と割れ目の頂点の小さな膨らみを勢いよく指の腹で押し潰してきた。


「…っ、ひ……っ…ぁ………あっ…、ア…!」

痛みとも痺れともつかない刺激が押し潰された膨らみから全身へと伝っていく。

、折角開いた脚が閉まってきてるよ?ちゃんと開いてないと、君の痴態が彼らに見えないだろう?」

「……ん、っ………ッ、…ァ…アッ…」

“ほら、ちゃんと開いて―――”
耳元で甘い声で囁いてくるリボンズの声が、じわりと躰に痺れを走らせ。

囁きと共にピタリと止まってしまった、リボンズの悪戯に。
それによって疼きと熱を帯びた躰が、知らず快楽を探して悶える。



「駄目だよ。言うことを聞けない子には何もしてあげないよ?」

言うが早いか、リボンズの指がサッと膨らみから離されて。
リボンズ自体も一歩下がった位置に体を引き、首だけを僅かに後ろに振り傾けて。
丁度その真正面にいたリジェネへと吊り上げた唇でリボンズが悪戯に嗤う。



「リジェネ、君も一緒に遊ぶかい?」