たとえば、KISSする時の癖。
触れるか否かの寸前で、かならず一拍を置くロックオン。
離れる瞬間に下唇をぺろりと舐め掬うアレルヤ。
触れたかと思えば強引に舌を絡ませてくるハレルヤ。
触れるだけのとってもそっけない刹那。
「というわけで、ティーエリアっ♪ あとはティエちゃんだけなんだ。さぁー、覚悟を決めろ、諦めろ!」
「何をだ!!」
「んー、ティエちゃんのその麗しい唇の貞操?」
「そっ、それならなおさら諦められるかっ!」
「もー、しょうがないなぁティエちゃんは〜。行け、刹那、GO!ティエちゃんを羽交い絞めだー!」
「…ッ、な…何をする刹那・F・セイエイ!!」
「協力したら、俺のガンダムに新しい装備をくれるとがいった、悪いなティエリア・アーデ」
「そんなのあいつの口から出まかせに決まっているだろうがっ、…ッ、や…やめろっ、来るな、寄るな、俺に触るな!」
「もー、ティエちゃん諦め悪すぎ。刹那、そのまま押さえててねー」
「…約束」
「わかってるって、後でとっておきのを追加してあげる。ふふ、いっただっきまーす」
「や、やめろぉおおおおおおお」
ちゅぅー。
「…で、おいしく頂いたら、おいしく頂いた分の応報が今まさにってわけか。」
「そうなんだよロックオンー、あ、ロックオンそこまだセンサーある」
「うぉっ、マジか!」
「あ、うん、そこ…と、あ、アレルヤも頭一個分気をつけてー」
「わ、了解。って、から頂いちゃったんじゃ、意味ないんじゃ…」
「うっ、それ言わないで。」
「…大変だな」
「おまえはいいよな、刹那」
「それは嫌がらせと取っていいか、ロックオン・ストラトス」
「あ、ロックオンそこまだあるって…、あ゛ー…」
ロックオンのこめかみに、赤い光がぽつりとひとつ。
ビーッビーッという警戒音ののちに天井から降り注ぐ、大量のハロ達に押し潰される、ロックオン・ストラトス。
「ちっ、ティエちゃんめっ…、次こそはティエちゃんからしてくれるようにしてやっからなー、みてろよティエちゃん!!」
「えっ、まだやる気なの?って、あっ…」
振り上げた腕に、赤い光がポツリと浮かぶ…、が気付いた時にはもう遅い。
「もっちろんよぉーーーーーー!!!!!って、あだっ、あだだだだ……ッ!!」
格好良くガッツポーズを決めた、の頭上にハロが降り注ぐ。
怒り狂ったティエリア様からの報復は、身長高い組へのあてつけをかねた、1.8m超赤外線センサートラップ。