彼ら以外に訪れるものが無い家に、珍しく訪ね人が来た。

「このような少年なのだが…知らないだろうか?」

扉をわずかに開けるなり、突き出された。
粗い画像の写真に収められたその顔に、見覚えはあったけれど。
今彼がどこで何をしているのかなんて、囚われの身の私にはわからないから。

「…さぁ、この辺りでみたことはないですね」

そんな、当たり障り無い返答をして。
それで訪ね人である彼は帰るのだろうと思い、写真から顔をあげかけて…

「…きゃ、ぁあっ……、っ…ぅ…」

暗転する世界に、腹部に中てられた鈍痛に。

「嘘はいけないな、

耳元で囁かれるその言葉を最後に、私は意識を手放した。



かれざる客。