特定の相手は持たないし、作る気もない。
ただ一時の快楽を貪る為だけの、爛れきった関係でいい。
「…ぁ、…ンッ…も、っと…激しくっ…シ、て…」
卑猥な水音を響かせるお互いを繋ぐ場所から、全身に広がっていく甘い痺れに酔いしれながら。
掻き抱いた頭に唇を寄せ、軽く揺れる髪の隙間から覗く耳元に。
吐息と共に名前を囁き、煽りたてる。
「っ…ぁ、もっ…と、…もっとシ…てっ、刹那…っ…」
もし、誰か一人のモノになったとして。
その二人だけの幸せが、永遠に続くなんて。
そんなの有り得ないでしょう?
だって、ここは常に死と隣り合わせな戦場で。
お互いに、いついなくなってしまうともわからない。
「…ッ、待て……っ、…!」
そう言って、焦る様に頭にまわした腕を振り解き。
刹那の腕が、力任せに絡めた指ごと私の腕を皺くちゃになったシーツへと、ぐっ…と押さえつけ。
いやいやと強請る私の顔を、上体を起こした上から見下ろしてくる。
「い、やっ……もっと、シて…気持ちよく……っ、さ、せて…」
だったら、誰か一人のモノになどならずに。
爛れた関係でもいいと言ってくれる、優しい腕の中を転々とした方が。
ずっと幸せでいられるでしょう?
「どう、っ…なっても…俺は知らないぞ、」
「上等…っ、…キて、刹那…。私をもっと貴方で満たして――…っ…」
ナカに入ったままの刹那の昂ぶりを更に深くで感じられるように。
左右に開かせていた足を刹那の腰に絡みつかせ。
ぐっ…と自分へと引き寄せるように、力をこめた。
「好きよ…大好き、刹那」
4年空きの情交。