愛してくれなくていいの。
爛れた関係でいいの。
でも…

一つだけ条件を付けてもいいなら、抱き合うその一時の間だけでいいの。
優しい声で名前を呼んで。
その腕の中に囲い込んで。

大切な恋人にするみたいに、甘やかして?







暗がりのベッドの上で、向い合せに抱き合って。
座位の形で情交に耽る。

「…っ、く……イイ、よ………ッ…」

「もっと、呼ん…で?私……っ、の名前…」

突き挿れられた陰茎を包み込むように、躰を上下に揺らして快楽を煽りたてると。
耳元に吐息混じりの声がかかり、ゾクリと甘い痺れが体中を駆け巡る。

…っ、ぁ…あっ…ダメだよ、っ…そんなに動いたらっ、僕っ…!」

「もっと…、もっと呼んでっ……、キモチ…よく、シよ?アレル…ヤ…―――、ン…ッ…」

首に回した腕を寄せて、紡がれる自分の名前を聴きながら。
ゆっくりと唇を重ね合わせて、舌を絡めた濃厚な口付けを交わす。

アレルヤの声が好き。
いつもは温和なアレルヤの声が、情交に乱れて僅かに上ずり、余裕なく私の名前を呼ぶのが、好き。
普段は絶対に見せることのないその様を、私だけが見てる。
そう思うと、酷く愉しくて、何度も何度もねだってしまう。

もっと呼んで、その声でもっと―――と。




動くたびに結合部分からは粘液の卑猥な音が部屋に響き。
その動きに合わせて揺れる乳房に、アレルヤが口付けから糸を引く唇をそのまま寄せて。
硬く勃ちあがった乳首に舌を、ペロリと這わせて愛撫を始める。

「…ンッ……、や………っ、…ぁ…ン…」

「声、抑えないで?もっと、の可愛い声…聞かせて…?ね、…?」

乳首をツン…と舌先で突きながら、アレルヤがジィ…と上目づかいにそう言って、見上げてきて。
あと一押しと言わんばかりに、甘い声で囁いてくる。

「ねっ、。僕、の声を聞きながらシたい、な」


その声に、その仕草に。
弱いと知っての行動に。

堪らなく、なる。

「…あ、今のよかった?の中、今凄いぬるぬる…だよ?ふふっ…感じて濡らしちゃった?」






声だけでかせて。



「…もうっ、アレルヤのバカッ…!恥ずかしいこと言わないでよ、バカバカバカっ!!」